撮影マッチングサービス「Meero」を5ヶ月使ってみた 作例と体験談

「フォトグラファーのための案件マッチングプラットフォーム「Meero」。

登録するだけで自分の代わりに仕事を受注してくれるということで、フリーカメラマンたちのあいだで最近話題ですよね。

この記事では、私がMeeroを5カ月使ってみて分かった、仕事受注から報酬の支払いまでの流れを書いていきたいと思います。

実際にMeeroでいくら報酬を稼げるかについては、以下の記事に詳しく書いたので、そちらをご覧ください。

 

この記事の要点

☑撮影依頼が届いたら、30秒以内に返信するべし

☑インストラクション(ガイドライン)を熟読すべし

☑不動産撮影の方がフード撮影よりも楽。その分、報酬も低い

☑フード撮影は臨機応変なライティング設定が求められる

☑Raw撮影必須:不動産撮影はブランケット撮影必須、フード撮影はストロボライティングが必要

☑楽な現場もあれば、大変な現場もある

☑Meeroの対応は迅速・丁寧

目次

1 撮影依頼

(1)SMSと登録メールアドレスに依頼が届く

遅い時は2日前、早い時は2週間前くらいに依頼が届きます。

 

 

以下の画像のように、「確定」か「拒否」の2択を迫られるので、どちらかを選択します。

一度「確定」した依頼もキャンセルすることができます。

 

何度か、キャンセルをしたがことがありますが、キャンセル料は取られませんでした。

 

▼【ここ重要】▼

依頼確定(承諾)の際に最も注意すべきは、「一瞬で他の登録者に依頼を取られる」という点です。

 

Meeroは、一つの案件につき複数の登録者に依頼をかけています。

 

なので、確定の返事をしようとした時には、既に他のカメラマンに内定している場合が多々あります。

 

体感では、メッセージ受信から30秒以内に返信できるかが勝負だと思います。

(2)撮影日までにやっておくべきこと

①撮影場所の確認

依頼承諾後に送られてくる、「撮影案件」詳細ページ → 「地図上で撮影を表示」欄で確認できます。

 

Google MAPのリンクが貼られています。

 

ちなみに、撮影場所でいえば、通常は自宅からどんなに遠くても電車で1時間以内くらいの依頼が来ます。

 

ですが、一度だけ車で2時間以上? の依頼が届いたことがあります。

 

あまりに遠くて断りましたが、撮影報酬より交通費の方が高かったです。

②インストラクション(ガイドライン)の確認

依頼主(Uber、出前館、不動産会社等)が指定する構図や注意点などを確認します。

 

特に、フード撮影の場合は、カラトリーの有無やヒーローショット(集合写真:複数の料理をまとめて撮影)の角度(45度or90度)が依頼主によって違うので、入念に確認しておく必要があります。

慣れるまでは、インストラクションのダウンロードをおすすめします。

私の場合、最初はインストラクション(ガイドライン)を逐一確認しながら撮影を進めていましたが、現在は基本的に確認することはありません。

インストラクション(ガイドライン)は、上記の写真中の「インストラクションのPDFファイルをダウンロードする」をクリックすると確認できます。

↑不動産撮影のガイドライン

↑フード撮影のガイドライン

③「撮影メニューリスト」のダウンロード

ガイドラインのなかに、撮影メニューリストが記載されているので、フード撮影の場合は必ずダウンロードして現場に持参しなければなりません。

「撮影案件」に撮影するメニューが記入されている場合もありますが、実際に行ってみると内容が変更される場合も多いです。

なので、私は当日に撮影をしながら書くか、漏れが無いようお店の方に記入してもらうようにしています。

そして、撮影が全て終了したら、用紙の一番下にお店の担当者さんと自分の署名・日付を記入し、その用紙を撮影した写真を料理写真と合わせてアップロードします。

④内観の確認

店内の広さ、雰囲気、自然光が入る場所があるかなどによって、用意する機材が変わります。


特に、フード撮影のばあいは撮影場所をなんとなくイメージしておいて、ストロボの他に、補助ライトや机に敷く背景シート(お店の机が反射素材だったりした時のために)等を準備します。 

(3)当日

前日に「明日撮影あり」のリマインダー確認が送られてくるので、スケジュールを忘れる危険は少ないです。

 

マイページ上のカレンダーで予定を管理することもできます。

 

指定の時間に現場に到着すると、大抵はお店の方が料理を準備をしてくださっています。

 

私の場合は、指定時間の少し前に現場に到着し、フード撮影の場合はライティング環境の確認、三脚のセットを行います。

 

不動産撮影の場合は、外観やエントランスの撮影を先に済ませておく場合もあります。

 

2 撮影の流れ

基本的にインストラクション(ガイドライン)が丁寧・詳細なので、それに即して撮影の準備を進めます。

 

撮影は、フードの場合と不動産の場合とで若干異なるので、それぞれの流れを紹介していきます。

 

カメラの設定を、RAWモード、画角3:2、オートホワイトバランス(AWB)にする点は共通しているので、必ず最初に確認します。

(1)フード撮影

お店の方の希望と店内の環境を総合して、撮影場所を決定します。

これが決まれば撮影はほぼ終わったようなものですが、このセッティングがなかなか難しいです。

カラトリーが必要な依頼(Uber eats・DiDi food)の場合は、お店の方に借りれそうな小物をお借りまします。

カラフルな果物や照りが出やすい金属食器類を配置すると効果的なように思います。

 

 例)レモン・トマト・アボカド・にんじん・ハーブ・調味料瓶・スプーン・フォーク・飲み物を入れた透明のコップ等

ライティングテストをして、設定が決まったら撮影開始です。

最初の1枚を撮影したら、お店の方に写真をチェックしてもらいます。(ピントや写り方、編集後のイメージなどを説明)

そこでOKが出たら撮影開始です。

先に全ての商品を準備してくださっている場合もありますし、麺類等の場合は一つひとつ作ってから撮影を進めます。

フードの場合、必ずヒーローショット(集合写真)を撮るので、単品料理をいくつか残しておいてもらいます。

ヒーロショットの構図は依頼主(Uber eats・DiDi food・出前館)によって違うので、間違わないように注意します。

90度(前上) or 45度 のどちらかです。

全ての撮影が終了したら、「撮影メニューリスト」に署名を記入して、片付け・撤収です。 

▼撮影の際のポイント

・自然光で全体の光を補い、ストロボでメリハリをつける

→店内の電気は可能な限り抑えた状態で

・ストロボはアンブレラとディフューザーを使って反逆光にセット

※ちなみに、ストロボ・アンブレラ・ディフューザーなどは全て自分で用意する必要があります

 

・カラトリーはカラフルなものを、なるべく料理の近くに配置する

バランス良く配置する

→クロップ編集されたあとの写真をイメージして、料理のなるべく近くに

▼作例

(2)不動産撮影

不動産撮影は、以下の3パターンに分かれます。

 

 ①居住中+立ち会い有り(営業所担当者)

 ②立ち会いあり(営業所担当者)

 ③立ち会いなし(担当者から鍵だけ受け取って1人で撮影)

 

居住者の方が居られるときは、移動可能な小物を出来るだけどかしてもらいながら撮影します。

 

あとは指定の場所(玄関・廊下・リビング・キッチン・バスルーム・トイレ等々)を順次撮影していきます。

▼撮影の際のポイント

・三脚を1.2mにセット

→一般住宅の天井の高さは2.4mなので、ちょうど真ん中の高さになります。

 

・撮影はとにかく垂直・平行を意識

→垂直・平行が取れていないと、納品後にMeeroから指摘がきます

・撮影モードが「ブランケットモード」になっているかを必ず確認

※ブランケット撮影・・・1枚の写真を、 露出+3.0、0、−3.0の三枚で撮影する(納品も3パターンの露出の写真を1枚とカウント)

・斜めから、正面からの2パターンの構図で撮影

→必要そうであれば、クローゼットも開け・閉めの両方撮影

▼作例

 

3 体験談 1・2・3

〈体験談1〉仏壇で撮影?

お店に到着すると愕然。テイクアウト専門店で、机なし、椅子なし、あるのはコンクリートのガレージのみ!

 

何か机代わりになるものはないか尋ねると、

 

持ってきたのは段ボール……

 

そして、なんとか用意してくれたのはなんと「仏壇」の一部……仏具を置く木の板でした。

 

当然、低すぎて三脚の高さが合いません。

 

45度で撮影しようとするとコンクリートが映り込む……

 

なんとか撮影をしましたが、リカバリーしきれず、Meeroから説明を求められました。

 

撮り直しにはなりませんでしたが、かなり厳しい環境でした。

 

〈体験談2〉怒る店主

店主さんが事前に提出した希望撮影枚数が、実際に撮ってほしい枚数より少なかった。

 

基本的に、予定枚数をオーバーして撮影する場合は追加料金がかかるのでその旨を伝えると不機嫌に……

 

とりあえず予定枚数以上を撮影し、あとは担当者と直接連絡を取るように伝える。

 

納品枚数をオーバーした枚数をアップロード(その際に事情を記入)。

 

Meeroから説明を求める連絡届く→事情を説明する →Meero – 依頼主で解決。

 

店主さんが常時イライラしており、とてもやりにくい撮影でした。

 

〈体験談3〉片付いていない部屋

リビングに溢れるおもちゃ、生活感そのままのキッチン、ダイニング、寝室……

 

さらに、撮影中ずっとふざけるお子さんと、それに怒り続けるお母さん。

 

通常の倍、撮影に時間がかかり、とても疲れました。

▼現場で困ったら:チャットですぐに相談

何か困ったことがあったらすぐにMeeroに相談すべきです。

連絡は基本チャットで行います。

マイページ右下にチャット欄有り、そこに内容を書き込むとすぐに返信があります。

一度、現場から「電話が欲しい」とチャットでお願いした時も、すぐに折り返しで電話が掛かってきました。

 

マイページの右下にあるトークアイコンをクリックすると、右の画像のようなチャット画面が出てきます。

 

4 撮影後・データアップロード

(1)データアップロード

撮影終了後は、マイページから12時間以内にデータをアップロードしなければなりません。

 

時間を過ぎると、Meeroから確認のメッセージが届きます。

 

物件撮影はブラケット撮影なので、1枚(3データ /露出+3・露出0・露出-3)につき3枚納品します。

 例)25枚納品の依頼→合計75枚のデータをアップロード

 

リネームは、インストラクション(ガイドライン)に従って写真すべてにしていきます。

 例)依頼会社名_店舗名_日付_番号

 

ちなみに、MACを使っている人は、以下のページで名前の一括変更ができるので便利です。

 https://pc-karuma.net/mac-rename-files/

(2)レビューの記入

内容は、撮影に対する自己評価、撮影担当者の時間への正確さです。

 

共に星10段階で評価します。

(3)写真の編集(は不要):これがMeeroの売り

 

例えば、鏡に映り込んだカメラや車のナンバーなどはMeeroの方で修正してくれます。

 

ただ、カメラの液晶だと曲がっていないように見えても、PCに取り込んで見ると曲がっている場合もあります。

 

※そういう場合もこちらで修正できないのが心苦しいです。現場でなるべく精度の高い写真を撮るよう心がけるしかありません。

 

写真の出来が悪いと、Meeroからメッセージが届きます。

 

例えば、写真が曲がっている、レンズに埃がついている等。

 

ただ、今のところ撮り直しを命じられたことはありません。

 

減給もない代わりに、昇給もありません。 

(4)マイアルバム

自分が撮影した写真は、遅くても1週間以内にマイページのアルバムにアップされます。

 

どのような仕上がりで納品されたのか確認できます。

 

自分の仕事がポートフォリオとして蓄積されてくのは嬉しいです。

5 報酬の振込み

報酬の振込みは、ペイオニアジャパン(Payoneer Japan)という会社を通して行われます。

 

Meero登録の際に、払込口座を入力します。

 

その口座に、月2回の頻度で支払いがあります。月1度より親切で良いです。


支払いは全て米ドルで行われます。

(2022年1月現在だと、約1ドル110円)

 

6 まとめ

・実感としては、不動産よりもフードの方が難しいと感じることが多い

→撮影時間も長くなる印象

 

・現場では「プロ」として扱われるので、未経験の人は事前準備を入念に

→特にフード撮影の場合、店内の状況に応じて臨機応変にライティング設定をする必要がある

・今のところ大きな失敗はない。写真に問題がある場合は、納品後に指摘がくる

例)「垂直水平が取れていない」「撮影角度が45度から違う」など

→撮り直しなどは今のところない

 

・クライアントは大手企業であるため、実績に繋がる

 

・サービスは簡単で安心

→基本はチャット対応、対応もフォローも速くて丁寧です。

→給料振込の遅延なども今のところない

 

 

※実際にMeeroで月どれくらい報酬を稼げるのかについては、こちらの記事で読むことができます。

【カメラ】¥265,000

ソニー SONY フルサイズミラーレス一眼 α7RM3 ボディ ILCE-7RM3

【レンズ】¥143,873

ソニー SONY ズームレンズ Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS Eマウント35mmフルサイズ対応 SEL1635Z

【三脚】¥9,800

Manfrotto 三脚 Elementトラベル三脚 スモール ブラック アルミ製 最大耐荷重4kg 5段 コンパクト

【ミニフラッシュ(ストロボ)】¥10,600

〈正規品 技適マーク付き日本語説明書付〉Godox Thinklite TTL TT350S ミニカメラフラッシュ高速1 / 8000s GN36 ソニーミラーレス DSLR カメラ A77II A6000 A6500 RX10 シリーズ

TTL送信機】7,300

Godox正規代理 技適マーク付〉Godox X2T-S フラッシュトリガー TTL送信機 ハイスピードシンクロ1/8000 HSS 遠隔制御可能 Sonyディジタルカメラ対応

【レフ板】¥2,299

NEEWER 5-in-1撮影用 折りたたみ式 レフ板(銀、金、白、黒、半透明) (60cm x 90cm) 

【フラッシュスタンド】¥3,000

Godox S2 S型ステント フラッシュスタンド Bowens – 多機能 取り外し可能なワッシャ調整、godox AD200pro/AD200 /AD400pro/V1フラッシュ/V860 II/V850 II/TT685/TT600/TT350シリーズの同等タイプのフラッシュに適用

【補助ライト ¥4,780】

EMART LEDビデオライト 4色調節 自撮り補光 2パック USBビデオライト 11段階調光

【ソフトボックスアンブレラ】¥3,699

NEEWER 43″直径の写真スタジオ折りたたみ反射ソフトボックスアンブレラ NEEWER GODOX CowboyStudio StudioPRO 夜間ストロボ及び外部フラッシュストロボに対応

 

▼ポイント

・とにかくコスパの良いもの

 

・軽くて持ち運びに優れているもの

→軽くて小さいが正義(三脚・ストロボ等)

 

・レンズは広角必須

→SONYのカメラはsuper35mmモード(画角約35mm)があるのでこれ一本で50mm以上にも対応できるので正義!